驚異的回復だ-。左足首の手術を受け離脱中の横浜MF中村俊輔主将(36)が9日、横浜市内でボールを使ったメニューをこなした。2月16日に三角骨と関節内遊離体(通称ネズミ)の摘出手術を受け3週間しかたっていない。別メニューでリハビリの域は出ないが、発表されている全治2~3カ月を大幅に短縮しそうな回復ペースだ。

 この日待望の合流を果たしたU-21(21歳以下)ブラジル代表の10番を背負うFWアデミウソンだけに注目が集まる中、同じ広いピッチの隅っこで“真の10番”が動いた。まだスパイクは履けずトレーニングシューズだがボールに触れ、ゆっくりとドリブルや切り返しの動作を確認。距離約5メートルながらパス交換もした。

 練習後は「ボールを“使っている”とはいえない。“転がしている”だけ。まだボールで仕事をしていないから」と独特の言い回し。自在に操ることのできる中村にすればまだまだだが、前進している。アデミウソンからも「中村選手と一緒に、早くプレーしたい」と熱望された。復帰時期については「(回復の)様子を見る」と多くを語らなかった。ただ、4月中の復帰が期待できそうな頼もしい姿が、ピッチにあった。【八反誠】