仙台がアウェーで名古屋に敗れ、今季公式戦初黒星を喫した。前半だけで3失点。反撃に出た後半は4分にFWウイルソン(30)、14分にDF鎌田次郎(29)がいずれもCKから得点したが、及ばなかった。

 新生ベガルタにとって苦い初黒星だった。今季公式戦4戦1失点と堅守を貫いてきただけに、前半で3失点というまさかの展開。後半に反撃に出るも、勝ち点には届かなかった。試合後、スタンドにあいさつするイレブンに「あんなの(前半のプレー)はもう見たくない」との声がサポーターから飛んだ。2点目を奪った鎌田も「やれたはずなのに、もったいない試合だった」と唇をかんだ。

 前半が全てだった。22日のJ1第3節湘南戦に続くアウェー。敵地での戦い方は改善してきたはずだったが、MF富田主将は「フワフワした感じで、締まりがなかった。自分たち次第でこういうことになってしまう」と、開始13分間で2失点した悪夢を振り返った。ともに守備陣の隙から奪われたゴール。渡辺監督は「試合の入りが悪かった。ストロングポイントである堅守が出せないままに失点してしまった」と話した。

 後半は守備を立て直すとともに、攻撃面での集中力を見せた。ボールを奪う位置、人への対応、ゴールへの姿勢のすべてで相手を上回り、得意の速攻とセットプレーで攻め立てた。計15本獲得したCKから2ゴール。1点差まで詰め寄ったが、届かなかった。この日すべてのCKを蹴ったMF野沢は「みんな目が覚めるのが遅かったし、1点が遠かった。ナビスコ杯は取りたいタイトル。勝ち点3を失ったのは反省したい」と悔やまれる1敗を強調しながら、次戦のホーム清水戦へ気持ちを切り替えた。【成田光季】