G大阪から世界を目指す2人が、今季ACL初勝利へと導いた。試合開始時、気温38度と猛暑のアウェーブリラム戦は逆転勝利。先制を許した前半41分、まずはFWリンスが右足で同点弾。防戦一方となった後半だが、日本代表GK東口順昭(28)が好セーブを連発し、同42分にW杯ロシア大会のメンバー入りを目指すMF大森晃太郎(22)が値千金の決勝弾を決めた。

 これこそJ1王者の守護神だ。勝利が最低条件ともいえる一戦で東口は最後まで相手ゴールに立ちふさがった。同点で迎えた後半36分、相手FWとゴール前で1対1の大ピンチ。東口は思い切って左に跳び、スーパーセーブを見せた。「自分がどうにか耐えられれば、と思っていた。逆転勝ちにつながるプレーができたかな」。前半44分にも1対1を止め、流れを呼んだ。

 ワンチャンスで応えたのは途中出場の大森だった。「元気だったので広い範囲をカバーした」と話す通り、後半42分、DF米倉からが折り返したダイレクトパスを中央から走り込んで右足で決めた。引き分け以下なら、1次リーグ突破がほぼ絶望的となっていた土壇場で、希望の光を差す決勝弾を放った。

 夢は3年半後につながった。3月の新生ハリルジャパン発表。今や代表常連となった東口とともに大森がバックアップメンバーに選出された。18年W杯ロシア大会出場を目指す若手として期待されるが「自分はまだ代表レベルでない」と、ぬか喜びはしない。東口も同じだ。代表に招集されてもいまだデビューできず「アピール不足なんかな」と自らに問い続けた。腐らず高みを目指した2人が、苦しいときに結果を出した。

 長谷川健太監督は「大きな自信になる。タフなコンディションと環境で、選手が90分戦ってくれた。本当に誇りに思う」。MF遠藤も「気持ちで勝ちを拾いにいけた」と力を出し切った。ようやく見えてきた4年ぶりの1次リーグ突破を目指して、残り2試合勝利だけを追い求める。