J1に初昇格した松本が仙台を破り、ホームでJ1初勝利を挙げた。ナビスコ杯も含めた本拠地5戦目で、ようやく勝利をもぎとった。

 反町康治監督(51)は「後半になると、風が強くなると聞いていた。それも味方してくれました」と明かした。風上の後半にロングボールを多用し、自分たちの戦い方に持ち込んだ。同15分にMF岩上祐三(25)がゴール前の混戦からこぼれ球を押し込んで先制。「(ホーム初勝利は)ちょっと遅かったと思うけれど、点を決められてうれしい」とにっこり笑った。

 ロングボールを用い、泥臭く走る。終盤は守備が踏ん張り、オビナらFWまでもが最終ラインに戻って体を張った。反町監督は「技術では差があるが、奪われても懸命に走るとかは誰でもできる。J1で戦う術だと思うので、そういう部分で負けちゃだめ。我々らしい勝利かな」と話した。

 ミスター山雅の故松田直樹氏の背番号3を引き継ぐ田中は「これまで勝てなかったにもかかわらずブーイングもせず応援してくれたサポーターに感謝したい。今日の勝ちは胸に響いています」と感慨深げに話した。

 ▼J1初昇格クラブのホーム初勝利 松本がホームでのリーグ戦3試合目(ナビスコ杯を含めると5試合目)で初勝利を挙げた。反町監督は04年の新潟以来、2クラブ目のJ1初昇格クラブの指揮。そのときの新潟はリーグ10戦目の初白星と遅かったものの、最終的に16チーム中10位で残留(当時はJ2降格なしの規定)。昨年の徳島は1度もホームで勝てずに1年でJ2に降格したが、初昇格の過去11チーム中8チームがホーム2戦目までに初勝利を記録していた。