浦和GK西川周作(29)が2度のスーパーセーブで、G大阪相手のホーム9年ぶり勝利の立役者になった。後半31分、ゴール正面からのG大阪直接FKの場面。名手MF遠藤が右足でゴール左上隅を狙ったシュートを、指先ではじいた。枠内に飛んでいたボールはクロスバーをたたいて外れ、失点を免れた。

 西川は「日本代表で一緒だったのがよかった」と持ち前のビッグスマイルをはじけさせた。「FKの助走が縦に入ってきたので、縦に落ちる球筋で狙ってくると分かった」。

 会心のセーブに、ガッツポーズを繰り返した。同ロスタイムには、G大阪FW宇佐美がエリア内左サイドから、強烈なシュートを放ってきた。

 笑顔の守護神は横っ跳びでこれを止め、今最も勢いがあるストライカーのリーグ7戦連続得点をはばんでみせた。

 実は宇佐美対策も万全だった。前日の練習で西川は土田GKコーチから、この場面とほぼ同じ状況からのシュートを止める練習を課されていた。

 「宇佐美は他の選手とは違うタイミングでシュートを打ってくる。そういうタイミングを取りにくいシュートに、どうやって対処するか。そういう練習でした」。

 殊勲の西川だが「GKがいい仕事ができる状況をみんながつくってくれたということです。相手の強力2トップに対して、みんな激しくプレッシャーをかけて、うまく守ってくれました」とあくまで周囲をたたえた。

 DF槙野は「うちには浦和のノイアーがいますから。11人目のフィールドプレーヤーとしてカバーしてくれるので、とても心強い」と返した。