清水は柏と引き分け、アウェーで勝ち点1を獲得した。前節山形戦と同様の3バックで臨み、GK杉山力裕(28)を中心とした守備陣が体を張ってゴールを死守。リーグ屈指の得点力を誇る相手に押し込まれながらも、最後まで集中力を切らせなかった。3点リードを守りきれなかった山形戦の悔しさをバネにしたイレブンは気持ちを前面に出したプレーで7戦ぶりに完封した。

 清水は押し込まれながらも、最後まで踏ん張った。0-0で迎えた後半22分にはセットプレーのピンチでGK杉山力が連続でビッグセーブ。同25分にもDFの背後を突かれたボールに飛び出し、攻撃の芽を摘んだ。1日に28歳となったばかりの守護神は「山形戦の悔しさがあったので絶対にゼロで終わりたかった」。その後もサイドを崩されたが、ゴール前では体を張り得点を許さなかった。

 新布陣が徐々に形になってきた。3バックのセンターに入ったDF杉山浩太(30)は的確なラインコントロールで守備を統率。守備的ボランチの「アンカー」を務めたMF村松大輔(25)と連係し、ゴール中央をがっちり固めた。サイドはMF枝村匠馬(28)とMFデューク(24)が上下動を繰り返し、スペースをカバー。守備時に5バックとなるシステムが機能し始めてきた。

 チームは負ければ最下位だった一戦で踏ん張り、7戦ぶりの完封。大榎克己監督(50)は「失点が多かったのでゼロで終われたことは評価できる」。DF杉山浩も「最後まで集中できて守れた」と一定の手応えを口にした。チームは降格圏内を抜け出せず、気の抜けない戦いは続くが、浮上に向けた光は見えてきた。【神谷亮磨】