サッカー元日本代表監督の岡田武史氏(58)がオーナーを務める四国リーグのFC今治が11日、元日本代表MF小野伸二(35)とMF砂川誠(37=ともにJ2札幌)の訪問を受けた。オフを利用して駆けつけた2人を今治市内の練習場で迎えた岡田氏は「小野から興味を持って電話してくれた。Jリーガーが来たのは初めて」。17日に高知Uトラスターとの5戦全勝対決を控えるイレブンを激励してもらい「選手も地元の人も喜んでくれたし、次も大物を呼ぶか」と再会にご満悦だった。

 98年W杯フランス大会で当時18歳の小野を抜てき。07年からの第2次政権でも招集した。小野は「今後(指導者)のため、お近づきになりたくて」と笑わせつつ「挑戦を見て刺激を受けに来ました」。そんな教え子に、岡田氏は前夜の食事会で新プランを明かした。

 先月から市内に一戸建てを借り、前U-17日本代表監督の吉武博文メソッド事業本部長(54)らと住んでいる。「広いリビングに分析室を作った。そこに地元の少年団や中高の指導者を集めてサッカー談議するんだ」。自クラブだけでなく地域の底上げを図る考えで「市全体をピラミッドにしたい」と熱く語った。「日本のことを本当に考えてくれている」。そう小野をうならせた試みが、今治で進められている。【木下淳】