第1ステージ優勝の浦和が、史上初のステージ無敗優勝を成し遂げた。MF武藤雄樹(26)の2得点などで新潟に完勝し、開幕から連続無敗のJ1記録を17試合負けなしに更新。目標の年間勝ち点1位と年間優勝に向けて弾みをつけた。

 LOVEコールに“1発回答”した。1-0の前半35分。得点した武藤はメーンスタンドに向かい、両手をキツネの形にして掲げる「LOVEポーズ」を決めた。「今日はあのポーズを何としてもやりたかった。僕も武藤。体に染み付いているのか、完璧に決まりました」。駆け寄ったDF森脇、槙野が「オレも」「もう1回」とせがむのに応じて、何度も決めた。

 本家公認のポーズだった。25日。今季の活躍を知ったプロレスラー武藤敬司が「無敗Vを達成したら、お祝いにLOVEポーズを公認したい」と宣言した。

 浦和の武藤は「あんな偉大な方が!」と喜びを隠さなかった。さらに翌日にはツイッター上でも、武藤敬司からエールを受けた。「本当はすぐに返事をしたかった。ツイッターのやりとりを見てもらった方が、見る側のみなさんも盛り上がるかなと」。しかし大事な試合直前とあって自重。その代わり、無敗Vを決めるゴールを挙げ、ポーズを決めると誓った。

 無敗Vを決定づけるチーム2得点目。プレー自体も秀逸だった。ゴール正面の武藤は、パスを送った先のMF阿部が左足シュートを放つのを横目に、反転して右に走っていた。「味方がシュートを打った瞬間こそ、自分へのマークが最も甘くなる」。クロスバーをたたいたボールは、フリーになった武藤の目の前に。GKがいないゴール右半分に、右足で蹴りこんだ。

 後半5分にも、同じようにFW興梠のシュートの場面で相手のマークを外し、ポストをたたいたはね返りを押し込んだ。昨季まで所属の仙台では4年間6得点の男が、第1ステージだけで8得点を挙げた。浦和快進撃の象徴が、ゴール連発とLOVEポーズで、史上初の無敗Vに花を添えた。【塩畑大輔】

 ▼無敗優勝 前節20日に優勝を決めた浦和が、開幕から12勝5分けの17戦負けなし。史上初のステージ無敗優勝を達成した。17戦不敗は、12~13年の大宮が記録した21戦連続に次いで、09年の鹿島と並ぶ歴代2位タイ。また、ホームでは9戦全勝で、90分試合でのホーム全勝優勝は01年第2ステージの鹿島(8戦全勝)以来、14年ぶり2度目。