ベガルタ戦士、松本を襲撃せよ! 仙台の渡辺晋監督(41)は5日、選手に向けて「襲いかかれ!」と訴えかけた。来週12日の第2ステージ第6節ホーム松本戦へ向け、何としても勝ち点3を手にするべく、激しい言葉でハッパを掛けた。その成果か? この日行われた仙台ユースとの練習試合(40分×3本)では9-1と大勝。連敗ストップへ向けて、ベガルタが「猛獣」と化す。

 猛獣のように、獲物に襲いかかれ。松本戦を1週間後に控え、渡辺監督がイレブンに送ったメッセージ。受け身の殻を破り、相手をつぶしに行く強さで戦う覚悟を持て-という意識改革だった。

 渡辺監督 今日、選手たちには「襲いかかれ!」と伝えました。試合最初の10分。立ち上がりでゲームを決め、我々がコントロールする。ユース相手ではあるが、今日はできていた。

 仙台ユースとの練習試合では、実際に1本目開始10分までに2点を奪った。4分にハモンが正面から豪快な先制弾を突き刺し、7分にはオウンゴールでネットが揺れた。そこから勢いは止まらず、2本目にはハモンがハットトリックを達成するなど5-0、3本目は2-0。終わってみれば計9得点と常に優位に立ち、勝利へ奔走した。

 渡辺監督 (ボールを)取られた後のバランスやリスクマネジメントの部分で向上の余地はあるが、有意義な120分だった。松本戦の1週間前に成功体験を持てて良かった。

 今季のスローガン「挽回」へ欠けていた策も講じた。この日メンバーは主力、サブに関係なくシャッフル起用。選手1人あたり約60分間のプレー時間をほぼ均等に分配した。

 渡辺監督 チームとして同じ絵を描くために、同じ方向を向き、同じピッチに立つことが必要だった。松本戦後、鹿島、浦和との2連戦もにらみ、選手が代わった時にいかにしてパワーを持てるかが大事になる。公式戦で結果が出ない中では、選手たちは練習でも練習試合でも個のアピールばかりが増えていた。チームで同じ絵を描きたい。

 誰かが、ではなく全員で突き進む。再構築されつつあるチームが再浮上へ一皮むける。【成田光季】