G大阪の秋男MF阿部浩之(26)が豪快な2発で勝利に導いた。柏戦の前半34分、左足ボレーを決めると、その2分後には相手のパスミスを拾い、DFをかわして再び左足でゴール。後半15分には、FW宇佐美貴史(23)が今季19点目を挙げ、FW大久保(川崎F)と得点ランク首位で並んだ。チームは勝利し、4位浮上。年間は4位をキープした。

 目が覚めるような1発だった。前半34分、阿部が半年ぶりにネットを揺らした。MF倉田の右クロスをダイレクトで合わせ左足シュート。強烈な弾道をゴール右へと一直線に描いた。2分後には、DFをかわしてまたも左足で決めた。

 「久しぶりで気持ち良かった。豪快な感じは得意なので。(1点目は)思い切り(足を)振って、インパクトに集中した。いいゴール。やっと当たってきた」

 リーグ戦は3月22日甲府戦を最後に無得点が続いた。同じ2列目のMF倉田は日本表入りを果たし、MF大森もバックアップメンバーに名を連ねた。阿部も昨季は7得点と結果を出していただけに「焦りはあった。でも、おのずとシュートも入るかな」と思っていた。そして、待ちわびた秋が来た。9月に入り公式戦6試合出場で3得点。「いい動きができている」。プロ入りした12年から毎年9月は得点を挙げてきた。自らの秋男ぶりに「涼しくなってきたら、勝手に状態が上がってきた」と笑顔だった。

 4年ぶりに柏に勝利し、チームは公式戦9試合負けなしと好調。チャンピオンシップ圏内の年間3位浮上はお預けとなったが、前日25日に50歳の誕生日を迎えた長谷川監督に最高のプレゼントとなった。次は中3日でACL準決勝、アウェーでの広州恒大(中国)戦だ。同監督は「持っている力を全て出してまずは初戦を戦っていきたい」。明日28日に中国入りする。この価値ある1勝を手に、アジアでも力を発揮する。【小杉舞】