小野1号で4戦ぶり勝利! J2札幌は東京Vに勝利した。前半33分にMF小野伸二(36)が移籍後初得点を挙げ勝利に貢献した。勝ち点を45に伸ばし、プレーオフ圏6位との勝ち点差を、前節の10から8に縮めた。

 FWナザリトのパスを中央で受けた小野は、ワントラップの後、ペナルティーエリア外、約18メートルの距離から落ち着いて左足を振り抜いた。「ダイレクトでもいけるかと思ったが、後ろからフリーという声が聞こえて冷静になれた。後はゴールにパスする感じ」。加入後17戦目、Jでは11年10月23日甲府戦以来1442日ぶりの1発となった。

 試合前に主将の河合と話し、ゴールを決めると宣言していた。「竜二さんと話していたし、取らなきゃいけないと思っていた」。値千金の決勝弾に四方田監督も「精神的にプラスになる得点だった」とたたえた。

 決勝アシストした9月12日横浜FC戦で、腰を痛めた。その直後に扁桃(へんとう)が腫れ、声が思うように出せなくなった。それでも練習は一切、休まなかった。オフは自身のサッカー教室のため、ほぼつぶしている。痛みを抱えながら、休みなくピッチに立ち、仲間を鼓舞し戦ってきた思いが、1つ結果になった。

 左臀部(でんぶ)を痛め後半11分で交代も「勝った次の試合が大切」と前を見据えた。ついに天才のスイッチが入った。残り7試合でPO圏と勝ち点8差。まだまだ可能性は十分にある。【永野高輔】