前節、年間順位3位の東京を破ってJ1残留を確定させた湘南が、V争いの重圧がかかる鹿島を退けた。

 この日がホーム最終戦の湘南がリードした。前半5分にいきなり先制だ。左サイドでフリーになったFW高山がクロス。そこに走ったMF菊地が跳び上がりながら、右足をダイレクトで合わせてゴールに入れた。

 次の点も湘南だった。32分、左CK後の競り合いからFW古林の前にボールがこぼれる。これを右足で押し込み、湘南が2点目を奪った。第1ステージ(S)の対戦を2-1で制している湘南が、前半を2-0でリードして折り返した。

 第2S逆転優勝へ負けられない鹿島は苦しい展開。右サイドバック西とセンターバックのファン・ソッコが出場停止で、U-22日本代表候補の伊東、ロンドン五輪代表の山村が代わって先発したが、いきなり出ばなをくじかれた。反撃しようとFW金崎にボールを集めるが、シュートは枠をとらえられず。中盤も相手MF永木の鋭い出足に苦しめられ、決定的な場面をつくらせてもらえなかった。

 それでも、追いつかなければ後がなくなる鹿島は後半、MFカイオとFW鈴木優を早い時間に投入する。石井監督のハーフタイムコメント「チャンスは必ず来る。しっかり入って、まずは1点だ」にある通り、反撃に出た。そのカイオを中心にシュートの数を増やしたものの、引いた湘南のゴールを割れない。鈴木優のヘディングも右ポストに嫌われた。後半ロスタイム3分に金崎が決め、さらに柴崎が決定機を迎えたが、こちらは決められなかった。

 2-1で終戦。湘南は昇格イヤーの本拠ラストゲームを飾り、来季へ弾みをつけた。鹿島は首位広島との勝ち点差が残り2試合で3(得失点差-12)に広がり、逆転優勝は厳しい状況に追い込まれてしまった。