J2大宮の渋谷洋樹監督(48)が来季も続投することが14日、濃厚となった。鈴木茂社長(62)は「今日の勝ち方は勢いが付く。(来年も)やってもらいたい気持ちは強い」と話した。

 同監督は試合後、胴上げで4度宙を舞った。「J2で一番幸せな監督」と喜びを爆発させた。昨年8月末にコーチから監督に昇格。選手主体のスタイルで戦い方に迷いがあったチームを立て直すには時間が足りず、無念の降格。伝統のポゼッションサッカーに立ち返って基礎を作り、今季は「堅守多攻」を打ち出した。

 監督というより“優しいお父さん”。コーチ時代に監督と選手の間に入ってコミュニケーションを取った姿は今も健在。「本題5分、雑談5分」の話好き。メンバー外の選手への声掛けも忘れず、時には若手の居残り練習にも付き合う。ピッチを後にするのは必ず最後。誰にも尊敬の念を忘れず、ユースから生え抜きのMF金沢は「今年はチームに一体感がある」と話す。

 指揮官は、友人でもある鹿島石井監督のナビスコ杯の優勝にも刺激を受けていた。「大宮もビッグクラブになる素質がある」。将来への手応え胸に、J1に再挑戦する。