悔し涙を流し、はなをすする音が、味の素スタジアムに響いた。

 東京DF森重真人(28)は、鳥栖戦後に行われたセレモニーでマイクの前に立った。主将として今季リーグ戦を終え、ファン・サポーターへ感謝の気持ちを伝えるはずが、1分以上声が出てこなかった。ようやく声を絞り出し「1年間応援していただいたファン、サポーターのみなさん、本当にありがとうございました」と話し始めた。

 「チャンピオンシップ(CS)に出たかったという思いがありますし…」。再び声を詰まらせた。勝てば年間3位でCS出場権を得られたが、鳥栖の守備網を崩しきれずにスコアレスドローに終わった。G大阪が山形を破ったため、勝ち点で並び、得失点差で泣いた。自力でのCS出場があっただけに、試合終了直後は森重だけでなく、東京の選手たちがピッチに倒れ込み、膝に両手をついた。

 リーグ戦を終え、天皇杯準々決勝広島戦の12月26日まで1カ月以上あく。「まだ天皇杯が残っています。最後までこのメンバーで戦いたいと思います。天皇杯でいい結果を残して今シーズンを終えられればいいと思っています」。そう決意を語り、また悔し涙を流した。