今季限りでの退任が濃厚になっていた東京のマッシモ・フィッカデンティ監督(48)が来季続投する可能性が消滅した。勝てばCS出場権を獲得できた鳥栖戦でスコアレスドローに終わり、クラブ側が契約更新のオファーを出すことはなくなった。試合後の会見で同監督は察したように「私はプロ。最後の1日まで仕事をする」と、8強に進出している天皇杯終了時まで指揮を執る決意を語った。

 クラブ歴代最高の勝ち点63で並びながら、年間3位を明け渡したG大阪との得失点差が、そのまま課題を示していた。この2年で堅守速攻スタイルをつくり上げ、強固な守備を構築。一方でDFが引いた相手を崩せず得点は伸び悩んだ。G大阪と比べ総得点は11も劣り、皮肉にもCS出場を逃す決め手となった。東京は来季でのリーグタイトル奪取に向け、10年まで3季率いた城福浩氏(54)を後任監督候補として一本化し、交渉を進める。