昨季ブラジル1部アトレチコ・パラナエンセの指揮を執り、今季から柏を率いるミルトン・メンデス監督(50)が「柏のオヤジ」襲名を宣言した。

 7日に来日したメンデス監督は11日、クラブ事務所でスタッフと会合。その後「選手たちには自分に対し、父親のような感情を抱いてほしい」と呼び掛け、「私は非常に友好的に話をする監督。同時に、グラウンド内で要求する質は高い。父親というものは、自分の子供が過ちを犯した時には厳しく強い姿勢で教育する」とニヤリと笑った。

 もうすぐチームは本格的に始動するが、メンデス監督が“子供たち”である選手に求めるのは、いつも幸せでいることだという。「幸せで、すがすがしい気持ちで仕事に取り組まなければ、結果は出てこない」。

 精神的な面を強調する一方で、戦術に関してもきめ細かく指導する。「戦術は、私が監督としてチームを率いる中で最も大切なものだと思っている。いろいろなやり方を持っている」。もっとも好む基本戦術は4-2-3-1だが「これは4-4-2や4-3-3、4-1-4-1というように状況に応じて布陣を変えていける柔軟なシステムだからだ」という。

 メンデス監督はすでに昨年、柏の試合を2試合視察しており、「パスをつなぐことにたけるが、ゴール前までボールを運ぶことに困難を抱えている」と分析。「これまでのポゼッションの部分は継続しながら、よりアグレッシブに相手ゴールにボールを運ぶことを実現していきたい」と意気込んだ。

 「みなさんご存じだと思うがサムライの弓矢の話がある。1本では簡単に折れてしまうけれど、多く集まれば強靱(きょうじん)な力を発揮する。それは我々のクラブ、関係者みんなに通ずるところだと思う。そういう部分を大事にしながらやっていきたい」。今後はレイソル・ファミリーの父親役として、選手をはじめ、サポーターやクラブ職員ら関係者すべてを引っ張っていく気概を示した。