J2清水は5-1でJ3鹿児島に快勝し、チーム初実戦を白星で飾った。この試合のゲームキャプテン、FW大前元紀(26)が2得点1アシスト。小林伸二新監督(55)の期待に応え、シーズンを通したキャプテンの有力候補になった。

 大前がFW、ゲームキャプテンとして結果を残した。2トップの一角として先発出場し、1点リードの前半30分に右クロスを右足で合わせて追加点。後半6分には自ら放ったシュートのこぼれ球に反応し、左足で押し込んだ。同11分にはFKからチーム4点目を演出。今季、主将は未定のままだが、暫定でキャプテンマークを巻き、チームを引っ張った。

 「試合前には結果にこだわってやろうと話していた。最初の試合で5点を取れたことはチームとして良かったと思う」

 昨季の結果で、クラブは史上初めてJ2に降格。大前自身も他クラブへの移籍を考えながら、残留を決断した。「エスパルスが一番好きなチーム」。そう公言する26歳は1年でのJ1復帰を目指し、強い決意で今季に臨んでいる。

 キャンプ入り後の練習でも積極的に声を出し、試合前日に行ったセットプレー練習では自らアイデアを出すなど、主軸としての自覚をピッチで体現している。初采配を振った小林監督も試合後に「よくやってくれたと思う」と評価した。

 大前がキックオフ前に「(チームの始動から)3週間やってきたことをやろう」と話したように、この試合で今季目指すスタイルが見え始めた。守備時にブロックを作り、縦に速い攻撃を仕掛ける。大前が決めたチーム2点目は堅守速攻の理想の形だった。

 6日には磐田との「静岡ダービー」を控える。「今年は公式戦で戦えないので、ここでしっかり勝ちたい」。これ以上ない結果を残した大前が、今季キャプテンの有力候補に名乗りを上げた。【神谷亮磨】