前ベトナム女子代表監督のINAC神戸乗松隆史ヘッドコーチ(47)が7日、チームの練習後にベトナムの特徴について語った。

 なでしこジャパンは7日、リオデジャネイロ五輪アジア最終予選でベトナムと対戦(午後7時35分キックオフ、金鳥スタ)。乗松コーチは昨年3月にベトナム代表監督に就任し、11月までの9カ月にわたり指揮を執った。INAC神戸からは7人のなでしこジャパンメンバーが選出されていることもあり「両方応援したい気持ちになりますね。複雑です」と苦笑いだ。

 ベトナムのサッカーは引いて守るスタイル。乗松コーチが監督就任後、4-4-2のフォーメーションで、FW、MF、DFの役割を浸透させたが「結果的に今大会も引いて守っている」と分析する。時には5バックになるほど、守備を固めてくるのが特徴だ。

 キーマンには3人を指名。MFグエン・ティ・トゥイェット・ズンは昨年の東南アジア選手権マレーシア戦で、両サイドのCKから直接ゴールを決める驚異の技を披露。その試合では右サイドのCKから左足、左サイドのCKから右足でゴールネットを揺らした。両足から精度の高いボールを供給する。29歳で経験豊富なFWグエン・ティ・ミン・グエットと、今大会で2本のPKセーブを記録するGKダン・ティ・キュウ・チンにも注目だ。

 なでしこジャパンは今予選1分け2敗。ベトナムも3戦全敗と苦しむ。初勝利に向け、元世界女王の底力が試される。