J2清水は0-2で札幌に敗れ、今季初黒星を喫した。前半に警戒していたセットプレーから2失点。後半は引いて守る相手に屈した。小林伸二監督(55)は「攻撃が単調だった」。会見で悔しさをにじませた指揮官の言葉が、この試合の全てを物語っていた。

 攻撃が見透かされているようだった。札幌は普段とは異なる3ボランチの守備的布陣を敷いてきた。清水FW大前元紀(26)とFW北川航也(19)はボールを受けた瞬間に厳しいマークを受ける。中盤の選手はそれでも同じような縦パスを繰り返した。

 北川は「自分の技術が足りなかった」と反省を口にしたが、チームとしての工夫も見えなかった。サイドからのクロスは毎回同じような軌道。平均身長185センチの札幌DF陣には通用しなかった。中央から打開できず、サイド攻撃に頼らざるを得ない状況に陥る。文字通り、相手の術中にはまっていた。

 左MFで先発した河井陽介(26)は後半から右MF、終盤にはボランチと、3つのポジションをこなした。ゲームを作れる希少な選手を動かしたが、効果はなく、試合後は「相手のプラン通りに進んでしまった」と唇をかんだ。昨年5月以来のホーム白星はまたしてもお預け。それどころか、J2降格が決まった昨年10月17日の仙台戦から5試合連続でホームでの得点はない。試合後は一部サポーターからは罵声込みのブーイングを浴びせられた。

 既に首位C大阪とは勝ち点7差で11位。序盤4試合での足踏みをどうとらえるのか…。目標のJ1復帰へ向けて打開策が求められている。【神谷亮磨】