G大阪の1次リーグ敗退が決定した。ホームで水原(韓国)に1-2で敗れた。前半、先制の好機でFW宇佐美貴史(23)が「2度のPK」を止められる失態を犯した。昨季はアジア4強だったが、2分け3敗のG組最下位で、1試合を残して敗退。新本拠地元年に8年ぶりのアジア王者という最大の目標を失った。

 自らを責め、宇佐美は泣き崩れた。終了のホイッスルが鳴ると、その場にしゃがみ込んだ。同僚があいさつに回ってもついていくことができない。ロッカー室では、泣きながら謝罪した。

 前半37分のPK。宇佐美は右手にボールを持って離さなかった。キッカーはMF遠藤と決められているが「蹴りたい」と主張。ゴール左に蹴るもGKにはじかれた。しかし蹴り直しとなり、ゴール右を狙ったが、今度はGKにキャッチされた。

 「俺のせい。みんなの頑張り、粘り強さが、ワンプレー、一選手のミスで敗戦となるサッカーの恐ろしさを知った。終わった瞬間に自分が終わらせてしまったと思った」

 宇佐美は昨冬、海外移籍を視野に入れながら、残留。ACLでのアジア王座奪回を誓ってきた。目標を失った今、夏の移籍に向けた動きは加速する。

 長谷川監督は「貴史は泣きながら謝っていた。予選で負けたのは当然監督に責任がある」。MF遠藤は「PKを外した気持ちは外した選手にしか分からない。僕には分かる」とかばった。1次リーグ敗退に加え、公式戦も2連敗。ショックは拭い切れないが、ここから再出発する。【小杉舞】