仙台はホームで鳥栖と対戦し、0-2で敗れた。前半43分にDF石川直樹(30)が2枚目の警告で退場し、与えたPKで先取点を献上。数的不利になりながら反撃に出た後半だったが、開始11分に追加点を奪われ、試合は決まった。これで6戦未勝利、引き分けを挟んで5連敗を喫し、順位は16位へ転落。ファーストステージ折り返し地点で、降格圏へ足を踏み入れる結果となった。

 ショッキングな敗戦だった。前半は相手の前がかりの攻撃を受け止め、そこから切り返す遅攻が裏目に出た。43分に石川直が2回目の警告で退場。微妙な判定に猛抗議するイレブンだが、覆ることはない。そのままPKで先制点を奪われた。その後も数的不利のまま攻め込まれ、シュートわずか3本の完封負け。寂しいスコアだけが残り、引き分けを挟んで5連敗。9節を終え、降格圏まで沈んでしまった。

 不運ではあった。仙台に計6枚もの警告が出された辛口ジャッジ。選手10対11の劣勢で、2点を追う後半は特に苦しかった。同33分、MF富田が中盤で激しいチャージを受け転倒。直後のカウンター好機でFWハモンのクロスに飛び込んだDF大岩が、後方から突き飛ばされたが笛は鳴らない。会場には怒りのブーイングが沸き起こり、ピッチ内の選手だけでなく、渡辺監督を含めベンチも騒然。仙台は試合を通して怒りが冷静さを上回り、ラフプレーを連発。闘争心もカラ回りしてしまった。

 判定も敗れた結果も変わらない。それでも、渡辺監督は「申し訳ないと悔しい気持ちでいっぱい」と話した上で、「ジャッジについては映像を見てクラブとして意見書なりを提出したい。ちゃんと見ていただきたい」と眉間にしわを寄せた。MF富田は「言いたいことはいっぱいありますが、そこまでの部分で防げたこともある。くつがえらないことなので受け止めるしかない」と大人の対応を見せ、中3日でやってくる次戦川崎F戦を見据えた。

 下を向いている時じゃない。DF大岩は「1つ勝てば絶対にこの状況を変えられる。みんなで戦えば必ず変わる」と力強い。指揮官も「5月からやり直す」と前を向く。主力に相次いだけが人も戻り、チーム力が上向きなのは確かだ。困難を乗り越えながら強くなっていく。【成田光季】