熊本地震で一時活動を休止したJ2熊本は3日の愛媛戦を含め、リーグ戦5試合が中止となったが、復帰戦となる千葉戦(15日・フクアリ)に向けて再始動している。2日に熊本市内で全体練習を再開して結束を強める一方で、選手の置かれた境遇はさまざまだ。

 GK畑は震度7を2度も記録した益城町の実家で暮らしていた。地震で家屋が傾き、外壁には「危険」と判定された建物を意味する赤い紙。車やテント内での生活を余儀なくされ「夜に余震が来ると、怖さで全然寝られないときもあった」。こうした日々からは脱したが、実家に再び住めるめどが立っていない。

 宮城県出身のFW斎藤は5年前の東日本大震災で山元町の実家が津波の被害にあった。熊本地震後には宮城県に避難し、仙台市で熊本県人会の人々と募金活動を行い「(今季に)熊本に入ったときは東北や宮城のためにと思っていたが、今は熊本と東北どちらのためにも頑張りたい」と言う。

 他クラブが救いの手を差しのべ、ブラジル出身のFWアンデルソンは柏の練習に参加。練習試合にも出場し「みんな本当に優しくしてくれた」と日本語で感謝の思いを口にした。

 清川監督は「クラブも熊本もみんなが支えてくれている。それに恥じないようにしよう」と2日のミーティングで呼び掛けた。それぞれの思いを胸に、千葉戦に備えた練習が続く。