J2札幌MF荒野拓馬(23)は、静かに闘志を燃やす。6日、札幌・宮の沢で行われた全体練習ではスピードあふれる動きを披露。「とにかくチャンスがあれば、走ってボールをキープしてゴールを狙いたい」と、次戦の15日水戸戦出場を見据えた。

 今日7日に予定されていた熊本戦が、地震の影響で中止に。ぽっかり生まれた中11日という期間に、じっくりと牙を研ぐ。キャンプ中に恥骨を亀裂骨折し「寝て起きるのも大変で、くしゃみをすると響いた」と、復帰まで3カ月余りを要した。ここまで出場は4月29日徳島戦の32分のみ。若干の痛みは残るが、患部を補強して練習に参加する。

 前節の金沢戦でチームは首位に浮上したが「みんなのおかげでなった首位だから」と実感はない。累積警告で、水戸戦では開幕から大活躍中のMFジュリーニョが不在。同様に最前線やトップ下もこなす荒野にとっては、巻き返しのチャンスだ。

 四方田修平監督(43)は「どうせ明日で順位は変わるでしょ」と“三日天下”を予言し「勝ち続けないと、最終的にそういう順位にはいられない」。シーズンは、まだ序盤。戦力に厚みを持たせるためにも、背番号27の完全復活は欠かせない。【中島宙恵】