「勝って『ゆりかご』をやりたかった」。DF大野和成(26)は、勝ち点1にとどまったことを悔やんだ。

 夫人が試合前の午後4時、新潟市内の病院で2864グラムの第1子の男児を出産。試合前からチームはお祝いムードで盛り上がっていた。大野は陣痛が始まった夫人を伴って午前6時に病院に。その後に試合会場のデンカSに向かった。

 夫人の状態を案じていたが、母子ともに健康の知らせを受け、テンション上げてピッチに立った。それだけに「勝ち点3が欲しかった」。

 もっとも、11節G大阪、前節浦和、今節の川崎Fと攻撃力のある相手との3試合を連続で無失点。「ゼロに抑えていれば負けない。これからも続けていく」と、センターバックとしての自信になった。

 試合後は面会時間が過ぎていたため、長男との初対面はかなわなかった。ただ、夫人から届いたメールで顔を見て、「俺に似ているかな」。試合の緊張から解き放たれたように表情を緩めた。