さあ、バットマン出撃だ。仙台は今日25日にナビスコ杯で川崎Fと対戦する。チームは現在、グループリーグ2勝2分けで首位。この日の結果次第では、3年ぶりの決勝トーナメント進出も決まる。この大一番に、10日前に鼻骨を骨折したDF二見宏志(24)が強行出場。黒いフェースガードを着用し、力強いプレーで勝利を呼び込むと意気込む。

 太陽に照らされ黒光りするマスク。突如、泉サッカー場に現れた覆面ディフェンダーは「ウチが勝つことしか考えずにやるだけです」と力強く言い切った。その二見は、15日に石巻で行われた仙台大との練習試合中に鼻骨を骨折。3日ほど練習を休み、黒色の特注マスクを手に入れて復活した。今週中に行われた紅白戦でも主力組の左サイドバックでプレーし、渡辺監督も「大いに期待する」と活躍を楽しみにする存在だ。

 顔は隠しても、当たり負けしない「強い守備」は隠さない。顔の上半分を覆うフェースガード。DF渡部には「まじダサいな~」と笑われたが「はなをかむ時は痛いっすけど、プレー中に接触したりしてもすでに折れてるんで怖いもんなしですからね。これ(フェースガード)があれば大丈夫」と強気にいく。見え方が気になるところだが「これだけ見えてれば俺でもボランチくらいできるんちゃいます?(笑い)」。視野の広さが求められるポジションに名乗りを上げるほど、フィットしている様子だ。

 姿はまるでバットマン。入団1年目のファン感謝祭ではピンクレディーの衣装で熱演し、今回はバットマンに変身した関西人DFは「今度こそ川崎Fに勝つ」とリベンジに燃える。4日のリーグ戦を敵地で戦い1-1で引き分けた相手との再戦。「グラウンドや会場の雰囲気も分かってるんで戦いやすい。メンバーも変わるかもしれないんで勝機はあると思う」。

 川崎Fでゴールを量産し、スーパーマンさながらの活躍を続けるエースFW大久保が出場なら、まさにバットマンVSスーパーマンの夢対決だ。陽気な性格でどこまでも明るい男は「目の前の敵は全部倒すつもり。うち(仙台)が勝って帰るだけです」と笑顔で仙台を出発した。【成田光季】