仙台はホームで、浦和を相手に劇的な敗戦を喫した。ロスタイムも3分が経過した瞬間にまさかの失点。ここまで好セーブを連発し無失点に抑えていたGK関は地面を強くたたき、その背中を降りしきる雨粒がたたいた。大型スクリーンに0-1のスコアが刻まれるのとほぼ同時に試合終了の笛がに鳴り響く。ぼうぜんとする選手たち。連敗は4に伸びた。

 「良いゲームなだけじゃだめだ。勝つゲームをサポーターに見せよう」。ハーフタイムに渡辺監督はそう言って後半戦へ送り出した。何よりも結果を欲するのは選手たち自身。それを分かっているからこそ、これまでの反省を踏まえ90分間、集中を切らさず戦い抜いた、はずだった。

 指揮官が「方向性は間違っていないと自信を持って言えます」と宣言した通り、下を向く必要はない。2戦連続FWで先発した藤村やハモン・ロペスの猛プレスは効果的で、相手を惑わせた。3失点が続いていた守備も前節G大阪戦からの中3日で立て直され、バランスが良かった。

 敵将ペトロビッチ監督も「仙台はまとまりがあって危険なチームである。今日は我々に運があった」と。しかし勝ち点3をも取れた試合での敗戦は、痛い。MF梁は「一瞬を突かれた。集中して守れていたし悪くなかった。だからこそ悔しい。悔しいですけど、苦しいですけど、もうひと踏ん張りってところなんですよね」。晴れの日までもう少しの辛抱だ。【成田光季】