天皇杯サッカー選手権大会・静岡県予選の決勝が21日、静岡市の草薙球技場で行われ、JFLのホンダFCがJ3藤枝に3-2で逆転勝ちし、6年ぶりとなる本大会出場を決めた。

 静岡でも番狂わせが起きた。ホンダFCはリードを許す苦しい展開ながら、後半40分にPKを獲得し土壇場で2-2の同点に追いついた。延長前半4分には左サイドを突破し、FW久野純弥(28)のクロスをニアサイドでMF香川大樹(28)がスルーし、ファーサイドに走り込んでいたFW宮内啓汰(25)が右足で冷静に決めた。その後は藤枝の猛攻に耐え、120分間の死闘を制した。

 決勝は、4年連続で藤枝との対戦。過去3年間は負け続けていた。宮内は日体大からホンダFC入りし、3年目。藤枝から初勝利を挙げ「ずっと決勝で負けていて、チーム全体での思いは強かった」と感慨深げだった。指揮をとって3年目の井幡博康監督(42)は、試合前のミーティングで「今年は(本大会に)出るよ」と選手に強く訴えていた。本大会への切符を手にし「最後はみんな満身創痍(そうい)だったけど、よく耐えた」と振り返った。

 本大会1回戦(27日)では、J2岐阜とアウェーで対戦する。井幡監督は「アマチュアでも、こういうサッカーをするクラブが日本にはあることを見せて、驚かせたい」と意気込んでいた。主将のDF鈴木雄也(25)にとっては、人生初の天皇杯本大会となる。「プロと真剣勝負ができる。良かったね、だけで終わらないように結果を出したい。静岡代表として、恥じないようなプレーを見せたい」と話した。