J2札幌のチーム得点王、FW都倉賢(30)が来季もチームに残留することが21日、分かった。今季限りで契約が切れるも、クラブが契約延長オファーを出し、この日までに都倉サイドと合意した。今後、条件面を詰め正式契約となる。心を決めて臨む今日22日の東京V戦(札幌ドーム)はJ通算250試合の節目でもあり、自らのゴールでメモリアルマッチを飾り、昇格に王手をかける。

 9番が来季も赤黒のユニホームを着る。FW都倉はチームトップの17得点を挙げ、攻撃の核として貢献。クラブでも当然、来季戦力として延長オファーを提示し、合意に達した。札幌は複数年契約の提示をしており今後、代理人を通じて細かい条件面を詰める。

 チームの軸として関わり、ついにJ1昇格目前までたどり着いた手応えと、来季への期待感が、決め手になった。神戸時代の13年に昇格経験も、先発は7試合のみと、主力での貢献ではなかった。今季はFW最長の2998分出場。中心となり献身的に働いてきた自信があった。心を固め「正式な契約はまだですが3年間、チームの中心でやりながらJ1に上がれるチャンス。こういう機会はないし、一緒に戦った仲間とJ1でも戦えたらと思う」と来季への決意を口にした。

 これからは、残り6戦での昇格達成に集中する。最近5試合無得点も、クラブ歴代最多24発と大好きな札幌ドームで再び目を覚ます。「アウェーで苦しみながらも勝ち点1を取ってきた。ホームに戻って勝てれば、また自信はつく。声援も力にして躍動感のあるプレーをしたい」。引き分け以上で、J2リーグ記録のホーム24戦連続無敗となる。9月11日群馬戦以来6戦ぶり9番弾で、勝利とリーグ記録を同時に引き寄せる。

 自身節目のJリーグ通算250戦目へ「1戦1戦、積み重ねてきた結果。その数字に恥じないプレーを」と気を引き締めた。勝てば勝ち点81に伸ばし、3位C大阪、4位清水がそろって引き分け以下の場合、30日熊本戦勝利で、対象チームの結果にかかわらず昇格が決まる。得点源の1発で“マジック1”とし、早々に来季17年のJ1残留への助走をつける。【永野高輔】