新潟がJ1残留の崖っぷちに追い込まれた。浦和に1-2で敗れ、年間順位は14位から15位に。J2降格圏の同16位名古屋に勝ち点で並ばれ、得失点差でわずかに「2」上回る状況になった。前半7分に先制を許し、0-1で迎えた前半15分、FWラファエル・シルバ(24)の自身今季10得点目で追いついた。だが、後半45分に勝ち越しを許した。次節(29日)G大阪、最終節(11月3日)広島と対戦する残り2試合、残留のために勝ち点の積み上げが必須になった。

 試合後、スタンドにあいさつをする新潟のメンバーに、サポーターは励ますような大きな拍手を送り続けた。「(サポーターは)いい雰囲気をつくってくれた。それに応えられずふがいない」。MF小林裕紀主将(28)は言葉を絞り出した。

 試合前、14位だった順位は15位に。福岡に勝った甲府が16位から14位に上がり、磐田と引き分けた名古屋には勝ち点30で並ばれた。得失点差で新潟がマイナス13、名古屋が15とわずか2差。かろうじて降格圏の前で踏みとどまった。

 粘り強さは見せた。前半15分、FWラファエル・シルバが浦和DF森脇良太(30)のバックパスを奪って仕掛け、同点にした。守備でもしつこくボールを奪うプレーを続けた。第2ステージ優勝を狙う浦和を苦しめた。だが、失点はあってはならない形だった。

 前半7分、浦和FW興梠慎三(30)に守備の裏を取られ、先制を許した。決勝点は、FW鈴木武蔵(22)のヘディングシュートが外れたところからボールを拾われ、最後は興梠に強引に押し込まれた。試合の立ち上がりと終了間際に、相手エースに取られた。「大きなチャンスの後には、大きなピンチが来る。そこを徹底させられなかった」。片渕浩一郎監督(41)は、要所を抑えられなかったことを悔やんだ。

 救いは敵将浦和のペトロビッチ監督(59)の言葉だった。「厳しい試合だった。新潟は今日のような試合を続ければ残り2試合、いい結果につながると思う。新潟のようなチームはJ1にふさわしい」。残り2試合、新潟のサッカーの真価が問われる。【斎藤慎一郎】