J2札幌U-18FW菅大輝(18)が来季、トップチームに昇格することが26日、決まった。今季は2種選手としてトップチームに同行しリーグ4試合151分に出場。この日、正式にクラブから昇格が伝えられた。今後、細かい条件を詰め、近日中に正式発表される。菅は小樽市出身で、同市出身では初のJリーガーとなる。

 来季の新人1号が決まった。菅は今季2種登録で既に4月3日町田戦でJリーグデビュー。クラブでは次代のエースと期待し、この日、札幌・宮の沢のクラブ事務所で、母親同席の上で、三上GMから来季トップ昇格を伝えられた。家族、本人ともに札幌でプロとしての1歩を歩み出す考えは合致しており今後、条件面を詰めていく。

 当初クラブでは、8月末に伝達する方針も、菅自身がトップで試合に絡めずスランプに陥っていたことを察し、10月まで引き延ばした。三上GMは「早い段階で試合に絡めてはいたが、夏場は壁にぶつかっていた。四方田監督とも話し合って、その時期は避け、このタイミングでということになった」と説明した。

 公式戦から離れていたこともあり、まずユースの選手としてプリンスリーグやJユース杯に出場させた。同年代の中でのゲームに戻し、じっくりと原点に立ち返らせ、本人が自信を取り戻したことを確認し、プロ昇格への合図を出した。

 チームでは17、18年と段階を踏んだ成長を期待している。J1昇格が濃厚な来季に向けては「引き続き体づくりは必要。その中でJ1という高いレベルの試合に何試合か関わってくれれば」と同GM。さらに「今季を1年目と考えた場合、3年目に攻撃の主力としての役割を担ってくれるように」と付け加えた。2年後には中心選手としてJ1定着、上位進出のキーマンになることが“エリート”としての使命だ。

 武器はスピードある飛び出しと、強烈な左足のシュート。16日愛媛戦では途中出場し、ロスタイムにFW都倉のシュートのこぼれ球を左足ボレーで狙ったが無得点に終わった。四方田監督は「あのような場面で決められる選手になってくれれば」と期待。来季は小樽初のプロサッカー選手という肩書を背負い、さらなる進化を目指す。

 ◆菅大輝(すが・だいき)1998年(平10)9月10日、小樽市生まれ。3歳で北小樽スポーツ少年団でサッカーを始める。小樽高島小から同末広中、小樽水産高、今春から通信制の飛鳥未来高。札幌の下部組織は小5でU-12入り。11年にU-15、14年にU-18昇格。U-16から各世代別代表に選ばれ、昨年12月にはU-18日本代表ロシア遠征参加。家族は母親と兄、妹。171センチ、69キロ。血液型AB。利き足は左足。

 ◆札幌市出身以外の道産子Jリーガー 札幌現所属ではMF石井が石狩市、宮沢が伊達市、DF櫛引が登別市、GK阿波加が岩見沢市出身。J3盛岡に期限付き移籍中のFW工藤は厚真町出身。他クラブでは川崎FのDF奈良が北見市、C大阪MF清原は帯広市、横浜FCのDF市村は恵庭市出身。小樽市出身のJリーガーは過去例がなく、菅が初となる。