川崎Fが元日本代表の大宮MF家長昭博(30)を獲得することが6日、濃厚となった。正式オファーを出しており、交渉は細部を詰める最終段階だという。昨季まで3年連続得点王だったFW大久保の東京移籍が決まっており、得点力があり、高い技術でチャンスを演出できる選手を求めていた。今季の家長は太もも裏の肉離れで一時離脱したが、26試合出場で11得点を挙げた。2桁得点は自身J1で初で、大宮の日本人選手でもJ1初。クラブ史上最高となる年間5位に押し上げる原動力となった。

 チームを5年間指揮した風間監督が今季限りで退任し、鬼木コーチが来季から監督に就任するが、クラブは風間監督の下で培った攻撃サッカーを継続させる方針を確認している。大久保と並び、今季チーム最多15得点のFW小林は3クラブからのオファーを断り、残留。大久保が抜けても家長が加われば、中盤のMF中村、MF大島を絡めたパス回しに磨きがかかる。中村は今季、ボランチ以外に左MFでもプレーしており、チームとして攻撃のバリエーションも増える。

 また、J1の3位として出場するアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)プレーオフに勝つか、勝ち残っている天皇杯を制すれば、同大会の出場切符を手にする。そのため前線を含めた各ポジションで選手層を厚くすることが急務。クラブは家長の獲得作業と並行し、新潟DF舞行龍、G大阪MF阿部、横浜FW斎藤に正式オファーを出している。

 ◆家長昭博(いえなが・あきひろ)1986年(昭61)6月13日、京都・長岡京市生まれ。G大阪ジュニアユースから同ユースへ。高校2年でトップ昇格を果たし、04年6月新潟戦でリーグ戦デビューし初得点。08年大分、10年C大阪に期限付き移籍。10年12月にスペイン1部マジョルカに完全移籍。韓国・蔚山現代、G大阪、マジョルカ復帰を経て、14年から大宮。国際Aマッチ3試合無得点。173センチ、70キロ。