J2復帰初年度の昨季、7位と躍進した町田が13日、都内で始動した。相馬直樹監督(45)は「(過去の)ベースが出来ていると思ったら、難しくなる。(J2)2年目は簡単じゃない。結果を見たら、ちゃんと積み上がったよね、と言ってもらえるように、そのために去年のことを捨てないといけない。新しく1歩1歩、積み上げていく必要がある」と強調した。

 14年に監督に復帰して、今季が4季目。「僕自身にとって、去年の3年目もそうですけども、やはり長く続けていくのは、すごくチャレンジ」と気持ちを新たにしている。ミーティングでも選手に「去年、こうだったから、というのは全て忘れて、もう1回、自分たちで力を合わせて作っていく」と話したという。その上で「下で苦しむことも当然ありうるし、自分たちが出来ることを積み上げていく、自分たちと向き合うしかない」と危機感を強めた。

 この日は、2時間20分にわたりボールを使ったパス回し、20分間走、ミニゲームなどを入念に行った。8人の新加入選手を迎えたこともあり、相馬監督は各選手に対して、パスを出す相手の名前を声に出すことなどを要求。ピッチ内では、互いを呼び合う選手の声が響き渡った。

 相馬監督は練習の意図について聞かれ「まず(選手同士が)名前を覚えられていないところもある。若い子が(新加入で)来たので、声を出すのもなかなか難しく、遠慮してしまう。そこを取っていかないと、チームにならない。常々やっていきますが、当然スタートからというところ」と説明。その上で「日々、1プレーを、きちんとチャレンジすれば、うまくいかないこともあるので、カバーする仲間がいるというチームにしたい」と語った。

 2月26日の開幕戦は、ホームの町田市立陸上競技場に昨季11位の千葉を迎え撃つ。相馬監督は「それ(開幕戦の相手)が、どこであれ勝ち点3。1分の1(の試合)を42回やりましょうということ。ただ開幕戦が(リーグ戦の、その他の試合と)全く同じとも思っていない。いいゲームをして、出来たら勝ってチームを転がしたい。昨年は勝たせてもらえなかった(1分け1敗)ので、選手たちも燃えやすい。我々にとっていい相手」と思いを語った。

 今季のJ2の見通しについて聞かれると「正直、そこまで考えていないです。知らない監督さんになったチームも多いですし、外国人の監督も多くなりましたし、予測が出来ないですよね。システムが変わったりもある。単純に分からない」と答えた。

 今季、目指すチーム作りについては、具体的なことは明言しなかったが、方向性については言及した。

 「個々のパーソナリティー、人の組み合わせが変わったら多少、変わるところはある。すごく速いか、ちょっとゆっくりか、少しテクニカルなのか、(身体能力を使って)ゴリゴリ押すのかは分からない。やりたいことは、チームとして戦える、チャレンジあふれた、見ている人が気持ちが打たれるなぁという(サッカー)。できれば、町田の方の誇りに思ってもらえるようなサッカーが出来たら」

 監督復帰4季目の始動を終えた相馬監督は、微笑を浮かべながらピッチを後にした。【村上幸将】