東京に加入したFW大久保嘉人(34)が、史上初となる複数クラブでの得点王獲得を目指す。15日、東京・小平グラウンドでの新体制発表会見に登場。45社106人の報道陣から今季成績の「予言」を求められ「得点王になってますね」と笑顔で即答した。前所属の川崎Fでは、入団した13年から史上初の3年連続得点王。2年ぶり4度目の快挙を達成すれば、これも史上初となる複数クラブにまたがった戴冠だ。「まだまだ記録を伸ばしていきたいんで」。J1最多得点記録を持つ点取り屋は、新天地でも新たな勲章を探す。

 青写真も描けている。川崎F時代に「多摩川クラシコ」で対決した東京の印象を「厄介に思ったこと? なかった(笑い)。楽しくプレーさせてくれた」とダメ出しした。その上で「球際とか、もっと激しかったら怖いのに、と思う部分があった。そこを言っていく」。課題を内部から解消するイメージを持ち込んだ。

 初練習では、始動日最多という約2000人から「頼むぞ」と声を掛けられ、背番号13の青赤ユニホーム姿を初披露。国内外6クラブ目の移籍にも「新人時代の気持ちがよみがえった。番号部分が(母校)国見カラーの黄色だったしね」と初心に帰った。リーグ初制覇の個人目標も、優勝経験がないクラブと一致。意欲はみなぎり「川崎Fには(昨季JリーグMVPの)パサー中村がいたが」という挑発的な質問も「俺はスルーパスで点を取るタイプじゃない。ボールを預けてくれれば何かが生まれる」と力強く言い返した。期待させるコメントとともに、2クラブ目の得点王へ第1歩を踏み出した。【木下淳】