G大阪の元日本代表MF遠藤保仁(36)が無冠返上を誓った。15日、大阪・吹田市内でクラブの必勝祈願などに参加。長谷川監督から最長を更新する5年連続の主将に指名された。昨季は主将を務めてから初めて無冠に終わっただけに、今季のスローガン「勝」を追求していく。この日は新体制発表会見も開かれ、今日16日から沖縄キャンプに入る。

 雪が降り続ける中、遠藤の決意は固かった。3週間のオフを終え、無冠に終わった昨季から気持ちは切り替わっていた。「可能性がある限り全てのタイトルを狙うのは大前提。全力でぶつかって、できる限り多く優勝したい」。この日、クラブから発表された今季スローガンは「勝」。貪欲に勝利だけを目指す。

 長谷川監督から「ヤット(遠藤)中心に試合も進む。若手には遠藤のプレーを見て学んでもらいたい」と絶大な信頼を寄せられ、5年連続の主将が決まった。28日に37歳の誕生日を迎える、プロ20年目の遠藤は「毎シーズン責任感は変わらない。中心としてやっていきたい。チームがいい状態で回るよう心がけたい」。過去に明神らが主将を3年間務めたが、最多を更新する5年は絶対的存在の証しだ。

 遠藤が初めて主将になった13年はJ2優勝、14年は3冠、15年は天皇杯連覇という栄光をもたらした。昨季はJ1年間4位、ACL1次リーグ敗退、ルヴァン杯準優勝、天皇杯8強に終わり、主将在任中で初めて無冠という屈辱を味わった。

 「ガンバは優勝した次の年もタイトルを取るチーム。自分の足もとをしっかり見て(昨季J1)4位だったことを心に留めながら1戦1戦、戦いたい」

 今日16日からは沖縄合宿が始まる。2月7日にはACL本大会出場が懸かったプレーオフが待ち受ける。指揮官が「3週間しかない。戦えるチームを作る」と言えば、背番号7は「重要な試合でスタートできるのはいいこと」と話す。

 公式行事初日となったこの日、雪の影響で路面が凍結し、安全運転優先のクラブ方針から選手数人はクラブハウスへの集合時間に遅れた。チーム結団式の予定時間を繰り下げるなどの支障はあったが、G大阪の白星街道を示す雪だったかもしれない。【小杉舞】