J2の湘南が16日、神奈川県平塚市の馬入ふれあい公園サッカー場で始動した。

 この日は、6季目を迎える曹貴裁監督の48歳の誕生日で、同監督は練習終わりに選手から水をかけられた。またサポーターから、パッケージに似顔絵とお祝いメッセージが描かれた、カップヌードルをプレゼントされた。

 曹監督は、誕生日と始動日が重なったことについて聞かれ「自分の誕生日と始動を合わせて、何のいいことがあるの?」と苦笑した。この日に始動したのは、B級指導者ライセンスの取得に取り組むFW藤田祥史(33)のスケジュールも考慮して、全員がそろえる日だったからだという。1番ほしいものを聞かれると「娘が高校に受かってほしい」と一瞬、父の顔を見せた。

 約2時間の練習では、走り、ミニゲームなど幅広いメニューを行った。パス回しの練習では、ボールをトラップする足、パスを出す際に蹴る足を左右、切り替えながら、繰り返し、入念に行った。曹監督は「もう1度、1から見つめ直そうとして(初練習に)入った。そういう意味で選手は新鮮にやれたと思うし、僕も新鮮に見えた。1日目としては100点」と笑みを浮かべた。

 練習前には選手、コーチングスタッフに加えフロントまで集めた、始動日恒例のミーティングが行われた。曹監督は語った内容を聞かれ、次のように答えた。

 曹監督 J1から降格して、アドバンテージがあるわけではない。もう1度、競争してほしい。続けるのか諦めるのか、勝つのか負けるのか、という紙一重と言われるような差を、自分たちがJ1で実感したうちに戻っていくことが大事だと思う。紙一重の差は3回、降格した過去の中でも、16年が1番、紙一重だと感じたので、その部分を普段の練習、ピッチの行動で、1ミリ上げる努力をすれば克服できると思う。

 この日は約100人のサポーターが集まり、選手が練習場に入る際には拍手で出迎えるなど、1年でのJ1復帰を期待するサポーターの熱は、開幕1カ月以上も前から高まっている。【村上幸将】