カズが50歳ゴールを狙う。今日26日に50歳の誕生日を迎える横浜FCのFWカズ(三浦知良)が25日、横浜市内でJ2開幕の松本山雅FC戦に向け、調整を行った。開幕戦は先発が濃厚。チケット完売の満員客席の前で“祝弾”を挙げる舞台は整った。チームメートも「世界が注目する試合」と勝利のプレゼントへ気合十分。カズは「ゴールに集中する」と得点への強い気持ちを口にした。

 40代最後の日を迎えたカズは「いつもと変わらないですね」と笑った。シュート練習では豪快にネットを揺らして「50歳ゴール」の予行演習は万全だ。練習後には約60人のサポーターが1日早い誕生日を祝った。50歳シーズンが世界中から期待される、特別な年の開幕にも「42試合の中の1試合。どれも全力を尽くすことは変わらない」と冷静だった。

 英BBC放送が「40歳以上でプレーした名選手11人」で紹介するなど、世界が注目する存在。チームメートもその重みは十分に感じている。22日には選手全員でブラジル料理店でカズの誕生日会を開き、タブレットをプレゼントした。副主将のMF野村は「世界が注目する試合。勝利でお祝いしたい」と勝利へ強い意欲を示した。試合後は300人超の報道陣を想定し、チームはピッチ上での青空会見を計画。大観衆の前での誕生日会にもなりそうだ。

 20代、30代は「いいプレーをすると自然とゴールがとれる」と考えていた。50代を迎える今もその根幹は変わらない。この2、3年は「すべてがうまく自分でコントロールしてできるわけではない。どこに集中するかといったらゴールに集中した方がいいのでは」とより得点を狙う気持ちを持つ。中田仁司監督も「ゴール前で張っていることで生きる」とストライカーの役割に期待している。

 年を重ねても「もっとうまくなりたい」との向上心を持ち続けて迎えた節目のシーズン。「どんなゴールも1点は1点。形にはこだわらない。FWなら、みんなそうだと思います」。カズが世界に発信する伝説ゴールを決める。【岩田千代巳】