セレッソ大阪から3季ぶりに復帰した、名古屋グランパスFW玉田圭司(36)は、ジェフユナイテッド千葉に敗れた試合後「あまり、いい画を描けていない感じですね」と口にした。

 その上で「やろうとして、うまくいっていない部分が、もちろん練習でもあるから、試合では無理なんだろうなと思っちゃってやっている部分もあると思うんだけど…どんどん、どんどんトライしていって自信を持ってプレーすることが1番大事」と、選手たちに奮起を促した。

 玉田がメディアの取材に応じる前に行われた監督会見で、風間八宏監督は「今日は自信を持ってプレーする選手が、ほとんど見えなかった」と失望感をにじませた。玉田は「ミスなんて、もちろんあるから。サッカーなんて、ミスのスポーツだと俺は思うから。監督が言っている、自信を持ってプレーするということが出来ていない。外から見ても分かるし、うまくいくわけがない」と風間監督に同意した。

 この日は後半13分にFW佐藤寿人に代わってピッチに立つと、再三、千葉DFラインの背後を狙い、同24分には、鋭くDFの裏に抜け出し、決定的なチャンスを作った。千葉と名古屋の対戦は、09年8月19日にフクアリで行われたJ1リーグ戦以来7年7カ月ぶりだったが、玉田はFWケネディとともにゴールを決めて、2-0勝利に貢献していた。そのことについて聞かれると「そうですか? セレッソ大阪でもジェフとやっているから、久しぶりの感じはしなかったですね」と笑った。

 コンディションについては「僕自身は悪くない」と自信を持っている。その一方で「サッカーはチームスポーツだから、もっとチームとして自分も生きなければいけないし、もっと自分自身も周りを生かしていかなければいけない」と課題も口にした。

 風間監督が今季、就任し、始動から2カ月。監督が掲げる、自分たちでボールを保持するサッカーの習得には、まだ時間がかかることを露呈した。「このまま行ったら、このまま行くと思うし、1人1人の考え方を変えないといけないと思います」と現実を厳しく見詰めた。その上で「それがいい課題になったというか、収穫」と前向きに捉えた。「(課題が出たのが)本当に早い段階で良かった。まだまだ巻き返せる時間はあるから。僕自身も示していきたいなと思う」。日本代表も経験したベテラン玉田が、名古屋の逆襲の先頭に立つ。【村上幸将】