今季からJ3初参戦のアスルクラロ沼津が「特別休暇」効果で、歴史的1勝をつかみ取る。今日18日、ホームに福島ユナイテッドFCを迎えた開幕戦(沼津・愛鷹、午後1時)でスタートを切る。東部地区初のJクラブとして臨む初陣に備え、17日は沼津市内で練習を消化。普段スポンサー企業などで働きながらプレーする選手らも、この日は「特別休暇」をもらって最終調整した。地元の強力なサポートを受け、万全のコンディションで勝利を目指す。

 沼津の選手たちは充実した表情で最後の練習を終えた。午前9時からパス回しなどを行い、全体練習は終了。普段なら選手の大半は練習後に仕事に向かうため足早にグラウンドを後にするが、この日は違った。選手が主に働くクラブのスポンサー企業から「特別休暇」が与えられたことで、自主トレに時間を割けた。先発濃厚なFW薗田卓馬(23)は居残りでシュート練習を行い、「僕らは結果で期待に応えなければいけない」と強い決意を示した。

 15日には選手数人とスタッフが沼津駅周辺で開幕戦を告知するビラを配布した。約2500枚を配りきり、来場を呼び掛けた。既に開幕戦には昨年の約2倍となる3000人以上が来場予定。ユニホームも予約段階で昨年の6倍以上を受注するなど、地元も盛り上がりを見せる。クラブと地域が1つになりつつある。

 DF尾崎瑛一郎主将(32)は「もっと存在を知ってもらうために勝つゲームを見せたい」と意欲満々だ。始動後、チームは練習試合で10戦負けなし(9勝1分け)と好調のまま開幕を迎える。吉田謙監督(46)も「いい準備はできた」とキッパリ。歴史的一戦を勝利で飾り、サポーターと喜びを分かち合うつもりだ。【神谷亮磨】