J3アスルクラロ沼津の元日本代表MF伊東輝悦(42)が加入後初の公式戦出場に意欲を示した。5日は沼津市内で行われた練習に参加。藤枝市役所との天皇杯県予選準決勝(8日)に備え、紅白戦でも軽快な動きを披露。今季加入したベテランはここまでリーグ3試合で1度もベンチ入りしていないが「コンディションは悪くない。出られる準備はしている」と表情を引き締めた。

 次戦が沼津でのデビュー戦となる可能性も出てきた。準決勝に勝利すれば、決勝は翌9日に行われる。異例の連戦となるため、総力戦で臨まなければいけない。この日の練習後、吉田謙監督(47)も「主力はリーグ戦の疲労もある。天皇杯予選は(在籍する)30人で戦う」と強調。全選手に出場機会のチャンスが巡ってきた。

 伊東にとっても思い入れの強い大会だ。93年から18年間在籍したJ1清水では元日の決勝に5度進出している。県予選を戦うのは14年から2年間在籍したJ3長野以来、自身2度目。沼津は本大会出場が1度もないだけに思いも強い。伊東は「楽しみにしている選手は多い。いい準備をしたい」。経験豊富なベテランは万全を期して出番を待つ。【神谷亮磨】