柏レイソルのMF中川寛斗(22)が、今季のJリーグ“最小”ゴールで、チームを今季初の連勝に導いた。

 FWクリスティアーノのPKで先制した直後の前半27分。右サイドからのクロスをMF大谷が頭で落としたボールに、中川が後方から走り込んでスライディングで決めた。今、Jリーグで最も身長が低い、155センチの中川の今季初ゴールで優位に試合を運んだ柏が、最後までリードを守りきり、2-0でともに今季初の連勝とホームでの白星を飾った。

 柏に響いた今季初のヒーローインタビューでは「素直にうれしい。ここでずっと勝てていなかったので、勝ててよかった。連勝できたので、次も勝って連勝し続けたい」と話し、笑顔を見せた。その後、サポーター席前まで出向いて「ホームの勝利お待たせしました。結婚しました」と話し、3月に一般女性と結婚したことをようやく報告できた。

 中川は「嫁にはいつも応援してもらい感謝しているので、1番伝わりやすい結果を出せた。いつも言ってくれるのは『できるよ』とか『自分を信じて』とか。どんな逆境でも、1人でも応援してくれる人がいるというのは力になる」と、内助の功に感謝していた。

 この日対戦した横浜の両センターバックは、ともに187センチの元日本代表中沢と、現オーストラリア代表デゲネクという、Jリーグ屈指の高さと強さを兼ね備えた相手だった。中川より32センチも大きな相手だったが「いつも相手センターバックとの駆け引きを意識している。大きな相手のポジショニングを変える動きをすることで、チームとしてチャンスが広がる」と、スピードと運動量を生かし、得点へと結びつけていた。

 後半6分には、ゴール前で相手GK飯倉と1対1になったが、シュートコースがないと見るや、少しずつ左サイドへ後ずさり。クロスを上げさせないため、後には引けない飯倉を、ついにはペナルティーエリア外まで引きずりだし、ゴールをがら空きにさせた。さらに、下平監督が試合後に「献身的に守備もしてくれる」と評価した前線からのプレスに、チームメートの信頼も厚い。

 中川は「今日はたまたま得点を取ることができただけ」と話し、自身のゴールよりもチームの連勝街道を継続させることだけを見据えていた。