川崎フロンターレがムアントン(タイ)を4-1で下し、8年ぶり3度目の8強進出を決めた。前半31分にFW小林悠(29)の先制ゴールで勢いに乗り、前半の3得点で勝負を決めた。2戦合計7-2とし、2連勝で準々決勝にコマを進めた。準々決勝の組み合わせ抽選は6月6日に行われる。

 川崎Fが自慢の攻撃力を発揮し、2戦連続の圧勝でベスト8に進出した。前半は、主審に抗議したFW阿部がイエローカードを出されるなど空気が重くなったが、前半31分からゴールラッシュ。小林がDF登里のクロスを個人技でネットに突き刺し、前半だけで3得点した。09年以来の準々決勝に小林は「連戦が長かったけど、チームみんなでここまで来れた」と笑みをこぼした。

 4月30日にC大阪に敗れ、5月に入って公式戦6戦全勝と波に乗る。しかも6戦すべてで複数得点。フロンターレの原点である「ボールを保持する前提」に立ち返ることで攻撃に磨きがかかった。快勝にも小林は「試合の進め方がまだまだ。修正点は多い」と気を引き締める。反省も残ったが、中村は「4-1で勝利して、内容がまだまだと言えるのも進歩」と手応えを口にした。

 チームはACLでは8強が最高成績だ。当時を知るのは中村とDF井川だけ。中村は「8年前とはアジアのレベルも変わっている。ある意味、全員、未知の世界。リーグも含めてしっかりと勝っていきたい」と意欲を見せた。【岩田千代巳】