ファジアーノ岡山が首位の松本山雅をホームに迎えた一戦は、両チームともに決定機をものにできず、引き分けに終わった。

 岡山にとっては、6月下旬から7月初旬にわたって猛威をふるった西日本豪雨で被害を受けた県内の被災者へ勝利をささげたい一戦。試合前には選手らが被災者への募金や支援物資を募るなどの活動も行い、岡山サポーターは「来れないやつらの分まで」、松本サポーターも「心ひとつにがんばろう。晴れの国 岡山」と書いた横断幕をスタンドに掲げて試合はスタートした。

 前半は両者ともにチャンスを作りつつも決めきれずに折り返し、後半はホームの岡山が攻勢に出る。12分に鋭い出足で相手からボールを奪ったDF後藤圭太(31)に右足ボレーシュートでゴールを脅かすと、続く19分にはFKのチャンスにMF末吉隼也(30)が右足を振り抜くと、無回転のボールは鋭く落ちてゴール左下に飛んだが、GKの好セーブにあい、ゴールとはならなかった。

 その後も互いに攻め込む場面が続いたが、試合はスコアレスのまま終了。岡山は被災地に勝利ささげることはできなかったが、スタンドからは大きな拍手が送られた。試合後、末吉は「被災者の方たちへ、自分たちの活躍が届けばいいなという思いで戦っていた。攻撃では多くチャンスを作っていたと思う」と悔しさをにじませた。

 GK金山隼樹(30)も被災地への思いをにじませ「自分も(被災地へ)出向かせていただきましたが、本当につらい状況の中でみなさん頑張っていた。自分たちが頑張ることが被災者の方のプラスになると(現地で)言っていただいたので、思いも強かった」と唇をかんでいた。