浦和レッズがMF武藤雄樹の決勝点で横浜F・マリノスに競り勝ち、勝ち点を35にのばした。

武藤が鮮やかな決勝点を奪った。1-1の後半34分、最終ラインの裏へ一気に加速した。MF青木拓矢が「(動きだしが)見えた」と察知してピンポイントのロングパスが送られる。ゴール正面で胸トラップすると、DFを置き去りにしたまま左足で蹴りこんだ。武藤は「相手は(DFの)ラインが高い。裏を狙っていたし、ボランチとも話していた。ベストなタイミングでボールを届けてくれた」と青木に感謝した。

今年4月の神戸戦以来のゴールで、今季2点目。「なかなか決められず、迷惑をかけた」。2列目の選手として、味方にスペースを作るためにDFを引きつける“無駄走り”をいとわない。この日は自身のゴールにつながるパスが送られたが、「すべて(のパス)が自分のところにくるのが正しいとは思わない」と、自身の役割を冷静に理解している。そして豊富な運動量で守備にも貢献する一方で、「求められていることはやれているけど、プラスアルファが出せていなかった」。前線の選手として、得点が1番。結果が残らない日々に責任も感じていた。

会心のゴールに、胸のエンブレムを右手で何度もたたき、雄たけびをあげた。「(ゴールは)久しぶりでしたし、自分のゴールで勝利に導くことができたのがいつだったか思い出せない。うれしいです」。浦和の9番を背負う男が自信を取り戻した。

次節はMFイニエスタを擁する神戸をホームに迎える。「主役はイニエスタではなく浦和の選手だというところを見せたい」。武藤は力強く語った。