試合終了後、現役引退を発表した元日本代表GK川口能活(43=SC相模原)への「花束贈呈セレモニー」が行われた。今季2番目となる観客5074人の前で、かつて日本代表などでともに戦ったアスルクラロ沼津の山本昌邦会長(60)とMF伊東輝悦(44)が花束を贈呈。FW中山雅史(51)からは、来場者のメッセージ入り横断幕が手渡され、川口は感激の面持ちで言った。「相手チームの僕のために、ありがとうございます」。

その後、川口は小学校時代に所属し、鷹岡天間サッカースポーツ少年団の選手たちから、寄せ書き入りのGKユニホームと折り紙で作られた花束が贈られた。再び感激した川口は子どもたちの頭をなで、「緑と黒の縦じまのこのユニホームが原点。県東部で過ごした日々を思い出しました」と振り返った。

会見では、あらためて指導者の道に進むことを口にすると、96年のアトランタオリンピックで、川口とブラジルを破る「マイアミの奇跡」を演じた伊東が後押しした。「経験をいい形で伝えてくれると思います」。

川口の現役生活は残り2試合。この日はベンチで終えたが、「出場機会があれば、自分ができる最高のプレーをしたいです」。最後までプロの姿勢を貫く決意だ。【古地真隆】