37歳の北海道コンサドーレ札幌FWジェイが、リーダーの自覚をあふれさせた。14日、札幌・宮の沢で17日アウェー清水エスパルス戦に向けた練習を行った。

ジェイは39歳のMF小野伸二がJ2のFC琉球に移籍したため、自身キャリア初のチーム最年長選手となった。「伸二みたいになりたい」と、チームに安定感を与えていた小野のような姿を目指し、ピッチ内外で頼もしさを増していく。

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ジェイなりの理想のリーダー像を模索していく。「最年長になったのは初めて。伸二からいろんなアドバイスを聞いたし、今まで通り若い選手にアドバイスをあげるつもり」。37歳のストライカーは、そう気持ちを新たにした。小野が移籍し、自身がチーム内で最も経験のある選手となった。キャリアで初めて経験する立ち位置に、振る舞いから変化が見え始めている。

目指すのは小野のような“大人なリーダー”だ。「伸二を毎日見ていると、落ち着いていて、気分が安定している選手だった。そういう風になりたい」。来日5年目。「日本に来たばかりの時は大きい声を出して熱くなって怒ったりしていた」と振り返るが、年月と経験が、言動などに変化を与えた。「日本人の感情の部分で学ぶことが多かった」と、小野から助けられた部分は大きい。「若い選手を成長させたい。チームメートと自分のためにも、伸二みたいに楽しくサッカーをやりたい」と思い描く。

札幌デビュー戦となった17年7月29日浦和レッズ戦。先発を外れ、落ち込んでいた。「がっかりしていたら、伸二が『大丈夫。ジェイは途中から入って絶対ゴールを決めるから』と言ってくれた」。言葉どおり、途中出場で初ゴールを決めた。アシストしたのは小野だった。信頼する仲間から引き継いだバトンの重みを感じ、前へ進もうとしている。

「(最年長として)日本ではどう動けばいい?」と悩んでいると、13日に救いの手を差し伸べられた。15年から昨季までチーム最年長だった河合竜二CRC(41)から「もし相談したいことがあれば声を掛けて」と気遣われた。17日アウェー清水戦は、最年長選手として臨む初陣となる。「毎日練習で全力を出して、いつも通りプレーしたら勝つ自信はある」。札幌の「小野ロス」は、新たな姿を見せようとするジェイの奮闘が解消する。【保坂果那】