“4冠”を狙い11人という大型補強を施した鹿島アントラーズが、シーズン初戦でつまずいた。ACL本大会出場を逃し、4冠のうちの1つへの挑戦権を、失った。

「ボールを握りながらゲームをコントロールする」というザーゴ新監督の言葉どおり、理想とするポゼッションサッカーを展開しながらも、最後まで得点を奪うことができなかった。

後半9分、元浦和のMFナバウトのシュートがDFに当たってコースが変わり、不運な形で先制点を許した。これが決勝点となり、日本勢としては初めてのACLプレーオフ敗退が決まった。

新生鹿島の形は見えた。同じ4-4-2でも、昨季までとは全く違う。ボランチの三竿が両センターバックの間に下がり、両サイドバックは高い位置を取る。必然的に左右のMFが中央に絞り、FWを含めた前線の4枚に近い距離感での連携が生まれる。ここにもう1人のボランチ、レオ・シルバが加わり、「中央から連携で崩す」という新たな攻撃パターンが備わった。

しかし、この攻撃がなかなか得点に結びつかなかった。前半31分にDF広瀬のクロスをFWエヴェラウドが頭で合わせたが、バーに嫌われた。豪雨でボールが滑りやすいことを考慮してか、相手は途中からミドルシュートを増やしてきた。一方の鹿島は崩しきることを意識しすぎた印象だった。

疲労の残る昨季のレギュラーと新加入選手を3週間でまとめ上げるのは、当然難しかったはずだ。しかし結果が全ての一発勝負で勝てなくては何も残らない。開幕までの3週間でチームをどう導くか、新監督の手腕が問われる。

▽FW土居聖真「言葉がないです。決定機を決められなければこういう試合になる。残念な結果を届けてしまってすごく残念。監督やチームメイトを信じて切り替えたい」