Jリーグの秋春シーズン制移行を話し合う第1回「シーズン制検討プロジェクト」が2日、東京・本郷のJFAハウスで行われた。Jリーグの鬼武チェアマンが議長を務め、札幌、新潟、山形、仙台など寒冷地や積雪地帯のクラブ社長や、関東、関西などの社長ら12人のトップが出席した。

 約2時間半の白熱した議論の後、会見に応じた鬼武チェアマンは「秋春制にした場合、どんなメリット、果実、楽しみがあるのか。そのためならどんな苦労でもするという声があった。総じて、思ったよりもしんどいなーという感じがした」と総括。

 シーズン移行に賛成したのは浦和、湘南など3チームだけ。その他は、山形などが冬場の積雪量、同日数、平均気温、積雪時の写真などを提出し、いかに冬場の試合開催が困難かを訴えた。スタジアムなどの施設面、観客動員、降雪時の輸送問題、決算期のタイムラグなどデメリットに意見が集中。屋根付きの練習場確保、人工芝の敷設などで250億円から400億円の資金が必要になるとのデータもあった。

 賛成派の浦和の藤口社長は「代表選手の招集を考えると、我々は秋春制をやりたいと主張したが、賛同は得られなかった」と言った。今後は今回と同様の話し合いをもう一度行う予定。同チェアマンは「これらの議論がすべてではないが大きな材料になる。それらをふまえて将来構想委員会で話し合う」と説明した。