今季限りでの解任を通告された神戸の松田浩監督(48)が5日、最終節柏戦(6日、ホムスタ)に向け完全非公開で最後の練習の指揮を執った。一度は続投を正式要請されながら、非情の通告で退団が正式決定したが、私情を捨てて最終戦での勝利だけにこだわった。柏の石崎監督も今季限りでの退任が決まっており、松田監督は「練習中はほとんど、そんなこと(解任劇)については忘れてやっていた。精神的に参っていた期間もあったが、練習をやっている時は楽しい。変な情が入ると、変な試合になってしまうが、明日は我慢比べになる。厳しい戦いになると思うが、いい形で終わりたい」と悲愴(ひそう)感を漂わせた。

 ボルフスブルク(ブンデスリーガ)移籍が濃厚になっているエースFW大久保嘉人にとっても、日本でのラストゲームになる可能性が高い。大久保は「最後やし勝って終わりたい。今までの神戸にはスタイルがなかったけど、神戸といえばカウンターという形は松田さんが作ったもの。オレをFWじゃなく(中盤の)サイドで使ってくれて、代表に定着させてくれたのも松田さんがいたから。監督には感謝している。神戸のカウンターは、代表より強烈やからね」と松田監督に勝利を贈る意気込みをみせていた。