実質3部リーグに当たる日本フットボールリーグ(JFL)の松本山雅に新天地を求めた松田直樹選手(34)が練習中に倒れたという知らせは、プロ入りから昨季まで16年間を過ごしたJ1の名門、横浜にも伝わり、クラブは重苦しい雰囲気に包まれた。横浜や日本代表でセンターバックとしてコンビを組んだDF中沢佑二(33)は「全く情報がないので分からない。信じられないのひと言。あとはもう」と言葉を失った。

 ハードなマークと闘志で世界と戦ってきた僚友の屈強さを誰よりもよく知るだけに、深刻な容体をうかがわせる情報にも「マツ(松田)はそんなにやわな人間じゃない。早く意識を取り戻して、いつものような元気のいい声を聞けたら」と、自らに言い聞かせるように回復を期待した。

 横浜時代の同僚、DF栗原勇蔵(27)は札幌市内での日本代表候補合宿の練習後「回復することを祈るしかない」と沈痛な表情。「どういう状態か分からないが、あまり良くなさそう」と消え入りそうな声だった。

 搬送された長野県松本市の信州大病院で記者会見した松本山雅の加藤善之監督(47)は「自分の体調と相談しながらトレーニングするタイプで、練習中に倒れたことは意外。チームの動揺は大きく明日(3日)以降の練習や試合は選手の意向を聞きたい」と話した。