コンサドーレ札幌のMF西大伍(20)が、8日の開幕アウェー鹿島戦で先発出場することが濃厚になった。激しいレギュラー争いを制し、初めてJ1のピッチに立つ。プロ3年目で公式戦出場はJ2での5試合しかない20歳は、チャンスを生かそうと意気込んでいる。

 試合2日前の6日は、紅白戦の主力組の右サイドハーフでプレー。三浦監督からマークについて「大伍!

 プレッシャー!」と怒鳴られる場面もあったが、安定したボール保持など軽快な動きを見せた。「(開幕は)意識していない」と話し「攻撃ではボールを落ち着かせてゲームをつくるプランがある」と自信をのぞかせた。

 し烈なサバイバルを制した。同じ位置には砂川、西谷、藤田、岡本らがおり、グアム合宿前は「5番手」の存在だった。だが、昨季から取り組む筋トレの成果もあり、当たり負けしないたくましさを披露。練習試合9試合のうち主力組出場は2試合しかなかったが、ライバルが故障するなど運も味方し、最後の対外試合熊本戦で先発出場した。三浦監督から「グアムから入りは良く、ここ最近も」という評価を勝ち取り、逆転で開幕スタメンをもぎ取った。

 過去2年間の悔しさをぶつける。1年目は柳下前監督から「子どものサッカー」と酷評され、控え組にも入れず、チームが紅白戦を行うのを横目に1人、ドリブル練習していた時期もあった。2年目は同期のMF藤田がU-20W杯に出場するなど、いっそう影は薄くなった。だが腐ることなく、昨秋のブラジル留学で力をつけた。「小笠原さんとか小さいころから見ていた。一緒に立てれば」。あこがれのピッチで、新しい1歩を踏み出す。【長島一浩】